呼吸器科

当院の呼吸器科の特徴

ホームドクターとして呼吸器トラブルに幅広く対応

咳が止まらない、呼吸が苦しそう、といった症状は、飼い主様にとって最も強い危機感を抱かせる症状のひとつです。呼吸器は生命維持の根幹をなす器官であり、その異変は一刻を争うケースも少なくありません。当院では、こうした呼吸器のトラブルに対して、動物の一生涯に関わるホームドクターとして、日常的な咳のご相談から、緊急性の高い呼吸困難への対応まで、幅広く対応できる体制を整えています。

様々な検査を行い原因を正確に見極めます

呼吸器疾患は、気管虚脱や短頭種気道症候群のように犬種の体質的な特徴が背景にあるものから、猫喘息のようにアレルギーが関与するものまで、原因はさまざまです。見た目の症状だけでは判断が難しく、レントゲン検査や聴診といった基本的な検査に加えて、必要に応じてより専門的な検査を組み合わせながら、原因を正確に見極めることを大切にしています。

二次診療に近いレベルの検査・治療にもつなげられる体制

当院に在籍する獣医師はそれぞれ得意分野を持ち、呼吸器領域についても学会参加や院内セミナーを通じて継続的に知識を深めており、当院内での対応が難しい症例については、大学病院や呼吸器の専門医・認定医とすぐに連携できる体制を構築し、二次診療に近いレベルの検査・治療にもつなげられるようにしています。

インフォームドコンセントを徹底

治療方針を決める際には、インフォームドコンセントを徹底し、飼い主様のご理解度に合わせた言葉で、検査結果や治療の選択肢、見通しを丁寧にご説明します。内科的な管理で経過を見るか、外科的な治療を検討するかは、病院が一方的に決めるものではなく、飼い主様が主体的にご判断いただけるよう、それぞれのメリット・デメリットを丁寧にお伝えしています。

スピード感を持って検査・診断を行います

呼吸器のトラブルは、時間の経過とともに悪化しやすく、飼い主様の不安も急速に大きくなっていくものです。当院では、年中無休の診療体制のもとスピード感を持って検査・診断を行い、「病院都合で先送りにしない」対応を徹底しています。「最近よく咳をしている気がする」「呼吸が少し速い気がする」といった些細な変化でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。当院は、飼い主様とペットのすぐそばで、呼吸の健康を守り続ける存在でありたいと考えています。

  • 咳が続いている、咳の回数が増えてきた
  • ガチョウの鳴き声のような「ガーガー」という咳が出る
  • 呼吸が速い、ゼーゼー・ヒューヒューという音がする
  • 呼吸が苦しそう、お腹を大きく使って呼吸している
  • いびきがひどくなった、寝ている間に呼吸が止まっているように見える
  • 舌や歯茎の色が紫っぽく見える(チアノーゼが疑われる)
  • 少し動いただけですぐに疲れる、すぐに座り込んでしまう
  • 「オエッ」と喉に何かが詰まっているような仕草を繰り返す
  • 興奮したときや暑いときに呼吸が異常に荒くなる
  • 鼻水やくしゃみが続いている
  • 咳とともに失神するような様子が見られたことがある
  • 首輪を締め付けたときに咳き込みやすい
  • 毛玉を吐こうとしているような仕草が続くが、何も出てこない(猫の場合)
  • 運動を嫌がるようになった、散歩に行きたがらなくなった
  • 口を開けて呼吸をしている(パンティング以外の場面で)

呼吸器の症状は、軽い咳のように見えても、その背景に気管虚脱や心臓病、猫喘息といった様々な病気が隠れていることがあります。特に、舌や歯茎の色が紫っぽく見える、少し動いただけで座り込んでしまう、といった症状は、酸素が全身に行き渡っていないサインである可能性があり、早急な対応が必要です。

また、猫の場合は「毛玉を吐こうとする仕草」と「咳」が非常によく似ているため、飼い主様が単なる毛玉吐きと勘違いし、猫喘息などの発見が遅れてしまうケースも少なくありません。呼吸器の症状は進行が早いことも多いため、「そのうち落ち着くだろう」と様子を見続けることは危険を伴います。

当院では年中無休で診療を行っておりますので、気になる呼吸の変化に気づいた際は、できるだけ早くご相談ください。可能であれば、症状が出ているときの様子をスマートフォンなどで動画に撮影しておいていただくと、診断の大きな手がかりになります。

診療時間/9:00~12:00、16:00~19:00、20:00~22:00

当院の呼吸器科で実施している検査

問診・視診

症状の経過、咳の音の特徴、生活環境などの聞き取り

聴診

呼吸音・心音の異常の確認

レントゲン検査

気管・肺・心臓の状態を画像で確認

血液検査

全身状態の評価、炎症や感染の有無の確認

超音波検査

心臓の動きや肺周囲の状態のリアルタイムな観察

透視下レントゲン【Cアーム】

動的変化の評価、期間虚脱の診断に役立つ

気管・気管支の触診検査

気管虚脱が疑われる場合の状態確認

細菌培養検査

感染が疑われる場合の原因菌の特定

CT検査

肺や気管支の状態を断面画像で詳細に評価

呼吸器の検査で重要なのは、「咳」や「呼吸が苦しそう」といった同じような症状であっても、その原因が気道そのものにあるのか、肺にあるのか、あるいは心臓にあるのかを的確に見極めることです。

当院では、まず問診と聴診でおおよその見立てを立てたうえで、レントゲン検査や血液検査など必要な検査を段階的にご提案し、その検査で何がわかるのか、なぜ必要なのかを費用の目安とあわせて丁寧にご説明してから実施いたします。検査の結果、より高度な内視鏡検査や外科的治療が必要と判断した場合には、大学病院や呼吸器の専門医・認定医へ速やかにご紹介し、紹介後のアフターケアについても当院が責任を持って継続して担当いたします。

犬で多い呼吸器科の病気

気管虚脱

気管がつぶれやすくなる、中高齢の小型犬に多い病気

短頭種気道症候群

鼻腔の狭さや軟口蓋の長さによる呼吸のしづらさ

慢性気管支炎

気管支の慢性的な炎症による咳や呼吸困難

誤嚥性肺炎

誤って気道に入ったものが原因で起こる肺の炎症

喉頭麻痺

喉の機能低下による呼吸のしづらさ、大型犬の高齢期に多い

心臓病に伴う咳

心臓の機能低下が呼吸器症状として現れるケース

気管支肺炎

細菌やウイルスなどによる気道・肺の炎症

肺腫瘍

肺にできる腫瘍性の病変

犬の呼吸器疾患は、犬種による体質的な特徴が大きく影響することが知られています。特に、パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、生まれつき鼻腔が狭かったり、軟口蓋(のどの奥の粘膜)が長かったりすることが多く、常に呼吸がしづらい状態にあることがあります。暑い時期や興奮したときに呼吸困難が悪化しやすいため、早期の相談が重要です。

気管虚脱

中高齢の小型犬に多い気管虚脱は、「ガーガー」というガチョウの鳴き声のような特徴的な咳が見られることが多く、進行すると日常生活にも大きな影響を及ぼします。
気管虚脱は、内科的な管理で経過を見る場合と、外科的な治療を検討する場合とがあり、症状の程度や進行度によって適切なタイミングを見極めることが重要です。

また、咳の原因が呼吸器ではなく心臓病にあるケースも少なくないため、当院では呼吸器と循環器を切り分けて考えず、総合的に評価することを大切にしています。

猫で多い呼吸器科の病気

猫喘息

気管支が過敏に反応し、発作的な咳や呼吸困難を起こす病気

猫風邪

上部気道感染症、くしゃみや鼻水、咳を伴うことが多い

慢性気管支炎

気管支の慢性的な炎症による持続的な咳

誤嚥性肺炎

誤って気道に入ったものが原因で起こる肺の炎症

肺水腫

心臓病などを背景に肺に水がたまる状態

胸水貯留

胸の中に液体がたまり、呼吸を圧迫する状態

肺腫瘍

肺にできる腫瘍性の病変

猫喘息

猫の呼吸器トラブルで特に注意が必要なのが猫喘息です。猫喘息の咳は、毛玉を吐こうとする仕草と非常によく似ているため、飼い主様が「いつもの毛玉吐きだろう」と見過ごしてしまい、発見が遅れることが少なくありません。実際には、体を低くして首を伸ばし、繰り返し咳き込むような仕草をしていても何も吐き出さない場合は、猫喘息が疑われます。

口を開けたままの呼吸(オープンマウスブリージング)

猫は犬と比べて症状を隠しやすい傾向があり、呼吸が苦しくなっても静かにじっとしていることが多いため、「あまり動きたがらなくなった」「口を開けて呼吸をしている」といった変化にも注意深く目を向ける必要があります。

特に、口を開けたままの呼吸(オープンマウスブリージング)は、猫にとっては非常事態のサインであり、緊急性が高い症状です。

当院では、猫が動物病院という環境で強いストレスを感じやすいことを踏まえ、できる限り負担の少ない検査・診察を心がけています。日頃から呼吸の速さや咳の頻度を観察していただき、気になる変化があれば早めにご相談ください。

猫診察室

当院での呼吸器科診療実績

当院では、年中無休の診療体制のもと、日常的な咳のご相談から、気管虚脱や短頭種気道症候群、猫喘息といった専門的な管理が必要な症例、さらには呼吸困難による緊急性の高いご相談まで、幅広い呼吸器科診療にあたってきた実績がございます。「咳が続いている」「呼吸が少し速い気がする」といった比較的軽度なご相談から、「舌の色がおかしい」「呼吸が苦しそう」といった緊急対応が必要なご相談まで、年中無休の体制を活かして迅速に対応してまいりました。

当院は一次診療の動物病院ではありますが、レントゲン検査などの専門的な検査機器を活用し、二次診療に近いレベルでの診断・初期対応が可能な体制を整えています。
そのうえで、内視鏡を用いた精密検査や、気管虚脱に対する外科的治療など、当院での対応が難しいと判断した症例については、大学病院や呼吸器の専門医・認定医へ速やかにご紹介する連携体制を構築しています。他院で「原因がはっきりしない」「治療の効果を実感できない」といったお悩みを抱えて来院される飼い主様のセカンドオピニオンにも、積極的に対応しております。

レントゲン検査

紹介後についても、当院が窓口となって経過を把握し、日常的な口腔ケアの継続指導やアフターケアについて責任を持って担当いたします。歯科は一度治療をして終わりではなく、その後の口腔内環境を維持していくことが重要な診療科であるからこそ、当院では長期的な視点で飼い主様と伴走し、「この病院なら任せられる」と思っていただけるような診療実績を積み重ねてまいりました。

当院での呼吸器科における治療法

当院の呼吸器科治療は、検査によって得られた客観的なデータと、飼い主様からお伺いした日頃の様子とを総合的に判断し、根拠に基づいた治療方針をご提案することを基本としています。

気管虚脱や慢性気管支炎

気管虚脱や慢性気管支炎など、内科的な管理で症状のコントロールが可能なケースについては、体重管理や生活環境の見直し(首輪からハーネスへの変更、興奮や高温を避ける工夫など)とあわせて、症状を緩和するための治療を行います。

猫喘息

猫喘息については、発作の頻度や重症度に応じて、吸入による治療や環境整備によるアレルゲン対策など、猫にとって負担の少ない方法をご提案しています。

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群のように、体の構造そのものが呼吸のしづらさの原因となっているケースでは、将来的な呼吸困難や熱中症のリスクを軽減するために、外科的な治療についても選択肢としてご説明します。

気管虚脱

気管虚脱が進行し、内科的な管理だけでは日常生活に支障が出ている場合も、外科的治療のタイミングについて丁寧にご相談しながら方針を決定していきます。手術が必要と判断した場合には、麻酔への不安に配慮し、術前検査による全身状態の確認と、術中・術後の呼吸管理を徹底することで、できる限り安全な治療を提供できるよう努めています。

当院だけで対応が難しい複雑な症例については、大学病院や呼吸器の専門医・認定医と連携し、より専門的な検査・治療につなげる体制も整えています。連携後についても、当院が継続して経過を把握し、日常的な呼吸管理のアドバイスなど、身近なホームドクターとしての役割を担い続けます。治療をどこまで行うかは、飼い主様のご意向を第一に、ご相談しながら柔軟に対応いたします。

当院での呼吸器科治療の流れ

ご予約・お問い合わせ

お電話またはLINE予約より、咳や呼吸の症状をお伝えください。呼吸が苦しそう、舌の色がおかしいなど緊急性が疑われる場合は、その旨をお申し付けいただければ優先的にご案内いたします。可能であれば、症状が出ているときの動画をご準備いただくとスムーズです。

電話で予約
問診

症状に気づいた時期、咳の音の特徴、症状が出やすい状況(運動後・興奮時・就寝時など)を詳しくお伺いします。

問診票
視診・聴診

呼吸の様子、呼吸音・心音を確認し、この時点で考えられる原因や、必要な検査についてご説明します。

診察風景
各種検査の実施

レントゲン検査、血液検査、動脈血液ガス分析など、症状に応じた検査を行います。検査の目的や所要時間、費用の目安についても事前にお伝えします。

血液化学検査器
血液化学検査器
検査結果のご説明と治療方針のご相談

検査結果をもとに、考えられる病気やその状態を、専門用語をできるだけ避けながら丁寧にご説明します。内科的な管理と外科的な治療、それぞれの選択肢がある場合は、メリット・デメリットも含めてお伝えし、どこまでの治療を希望されるかを一緒に検討します。

治療の開始

ご納得いただいた治療方針に基づき、内科的な管理や必要な処置を開始します。生活環境の改善点についても具体的にご案内します。

経過観察・定期検診

慢性的な呼吸器疾患の場合は、定期的な通院により症状の変化を確認しながら、治療内容を適宜調整していきます。

待合室
必要に応じた専門施設との連携

より高度な対応が必要と判断した場合には、大学病院や専門医をご紹介し、その後のアフターケアも当院が継続して担当します。

呼吸器の症状は進行が早いことも多いため、当院ではこの一連の流れを「病院都合で先送りにしない」スピード感で進めることを大切にしており、検査結果はできる限り早くご説明し、治療の途中で疑問や不安を感じた際にはいつでもご相談いただける体制を整えています。

  • 日頃から呼吸の速さやリズム、咳の頻度を観察しておくこと
  • 咳の音の特徴(ガーガー、ゼーゼーなど)を意識して聞いておくこと
  • 猫の場合、毛玉吐きと咳を混同しないよう、実際に何かを吐いているかを確認すること
  • 「年のせい」「暑いから仕方ない」と決めつけず、些細な変化でも記録しておくこと
  • 気になる症状が出た際は、できるだけ動画に撮影しておくこと
  • 短頭種など呼吸のしづらい犬種は、暑い時期や興奮時の様子を特に注意深く観察すること
  • 体重管理を意識し、肥満による呼吸への負担を減らすこと
  • かかりつけの動物病院を決めておき、呼吸の状態の経過を継続的に共有できる関係を築いておくこと

日ごろの経過観察と早めの検査が重要

呼吸器疾患は、進行のスピードが早いものが多く、飼い主様が異変に気づいたときにはすでに症状がかなり進んでいることも少なくありません。特に、気管虚脱や短頭種気道症候群のように犬種特有の体質が背景にある病気は、若いうちから兆候が見られることもあるため、症状が軽いうちから経過を観察し、必要に応じて早めに検査を受けていただくことが重要です。また、猫喘息のように発見が遅れやすい病気については、日頃から咳と毛玉吐きの違いを意識して観察していただくことが、早期発見の大きな手がかりになります。

飼い主様によるご自宅での観察・記録も大切

早期発見のためには、動物病院での検査だけでなく、ご自宅での日々の観察と記録が欠かせません。「最近、咳の回数が増えた気がする」「呼吸が少し速い気がする」といった些細な気づきが、重大な呼吸器疾患の発見につながることは珍しくありません。
当院では、そうした飼い主様の気づきを診断の重要な手がかりとして真摯に受け止め、必要な検査へとつなげています。年中無休の診療体制を整えているのも、「気になったときにすぐ相談できる」環境を提供したいという思いからです。呼吸のトラブルは命に直結することもあるからこそ、些細なことでも構いませんので、早めにご相談ください。

呼吸器科におけるQ&A

Q.咳が少し出るだけなのですが、すぐに受診すべきでしょうか?

A.軽い咳に見えても、気管虚脱や心臓病、感染症など様々な病気が背景にある可能性があります。特に、咳の頻度が増えてきた、運動後に咳き込みやすいといった様子が見られる場合は、早めのご相談をおすすめしています。当院は年中無休で対応しておりますので、迷われた際はお気軽にお問い合わせください。

Q.動画は本当に診断に役立ちますか?

A.はい、非常に役立ちます。診察室では緊張して普段の症状が出ないこともあるため、ご自宅でのリラックスした状態での咳や呼吸の様子を動画に撮影しておいていただくと、診断の重要な手がかりになります。可能な範囲でご協力いただけますと幸いです。

Q.気管虚脱は手術が必要な病気ですか?

A.症状の程度によります。軽度であれば、体重管理や生活環境の見直し、内科的な管理で症状をコントロールできることも多くあります。一方で、症状が進行し日常生活に大きな支障が出ている場合は、外科的な治療を検討することもあります。当院での検査結果をもとに、それぞれの選択肢について丁寧にご説明いたします。

Q.他院で呼吸器の治療を受けていますが、セカンドオピニオンとして相談できますか?

A.もちろん可能です。セカンドオピニオンは、現在の主治医の先生を否定するものではなく、多角的な視点を持つことで治療への納得感を深めるための選択肢の一つです。可能であれば、これまでの検査結果や治療内容がわかる情報をご持参いただけますと、よりスムーズにご相談を進められます。

Q.通院の頻度はどれくらい必要ですか?

A.病気の種類や進行度によって異なります。急性の症状で治療開始直後は数日おきの通院が必要になることもありますが、症状が落ち着けば間隔を空けて経過観察を行うこともできます。飼い主様の生活スタイルも踏まえながら、無理なく続けられる通院ペースを一緒に考えます。

Q.当院で対応できない場合はどうなりますか?

A.内視鏡を用いた精密検査や気管虚脱の外科的治療など、当院での対応が難しいと判断した場合は、大学病院や呼吸器の専門医・認定医をご紹介いたします。ご紹介後も、日常的な呼吸管理やアフターケアについては当院が継続して担当いたしますので、「紹介されたら終わり」ということはございません。安心して当院にご相談ください。